2010.03.26 Friday
沈丁花
【沈丁花】
チンチョウゲ。
室町時代頃にはすでに栽培されていたとされる。
日本にある木は、ほとんどが雄株で雌株はほとんど見られず、挿し木で増やす。
赤く丸い果実をつけるが、有毒。花の煎じ汁は、歯痛・口内炎などの民間薬として使われているる。
花言葉は「栄光」「不死」「不滅」「歓楽」「永遠」。
小さな花が毬のように固まって、
その小さな花にどれだけの香りを蓄えているのかと
驚く程広範囲に香りをふりまいている。
はるのにおい。
さほど手入れをしなくても
必ずこの季節に花を咲かせて
忘れかけた季節感を呼び起こさせる
この花は
東京に来てあたしに
季節を感じさせる花の一つだ。
どんなに疲れていても
香りは不意にやってきて
その存在をささやかに知らせるのだ。
人がほころぶとき
それは無防備な時が一番ダイレクトに伝わる。
梅と桜の間に
ささやかな香りを漂わせる
チンチョウゲ。
夜に観ると
暗闇の中にほんのり白く
控えめに咲いている。
誇らしげに香りは強い。
春が始まった。